コミュニケーションのコツはみんなに分かるように!

コミュニケーションのコツはみんなに分かるように!

コミュニケーションは、母国語同士の間でも難しいです。ある海外経験の長い友人が、「夫婦の間でもわからないことや勘違いがあるのに、言語や文化が違えば意思疎通は難しいと考えたほうがいい」といっていました。私はその後イギリス人と結婚して男女のコミュニケーションの難しさは確かに世界共通なことだなと思いました。彼がイギリス人だからではなく男女の考え方の違いが根本的にあるからです。多国籍の女性同士で話すとなんと全く同じことを言っています。

異文化、そして外国語でのコミュニケーションはある程度テクニックが必要です。通訳をはさむ場合はピンポンのように行ったり来たりする会話ですので、特に中途半端な質問は避けたほうが時間の短縮になります。よくあるのが、この質問で何を聞きたいのか目的がはっきりと分からないということがあります。通訳を挟まないのであれば、小出しにいろいろ質問できますが、質問を一つ間違えると、会話がとんでもない方向に進み収拾がつかなくなります。相手の性格を把握している通訳であれば言葉の選び方に注意をしますが、そのまま訳しているとよくあるのが、「そんな話はしていない」ということになり、だんだん気まずくなります。気まずくなった時に一番それを察してもっと仕事がやりずらくなるのは通訳の方です。ですので私は必ずクライアント様と打ち合わせをし、どのような目的をもって話を進めていくつもりであるか確認して、本番に臨みます。

私のような通訳は典型的な会議通訳ではありません。一緒にお客様と相手先に訪問することがほとんどですので、お客様が外国人とのビジネスにたいへん慣れていて言語だけの問題であれば、安心してそのまま通訳ができますが、そうでない場合も多々あります。

今年初めに阿部首相のダボス会議での発言を通訳がミスをしたという報道がありましたが、私は個人的にはとても残念に思いました(と日本人の私は言いますが、海外生活の長いもう半分の私ははっきりと「無責任な責任逃れ」というでしょう)。最終的に通訳の責任となっているように思われますが、日本語スピーチを作成した時点で既に英文をしっかりと作成し、認識のずれがないように確認してから本番に臨めばよかったと思います。瞬時に複雑な政治的な文章を正確に伝えることはプロの技ではありますが、スピーチは会議中の発言と違い予め時間をかけて作成してあるものなので、特に緊迫している国際関係は慎重に慎重を重ねてもよかったのではないでしょうか。

何語であろうと10人がみんな十色に解釈されそうな言動は通訳を挟もうがご自身で外国語で話そうが避けたほうがいいと思います。通訳がついている場合は経験から異文化理解を付加価値として問題が起きないように会話を進めていきます。通訳をただの言語のできる人という認識だけでは、本当の通訳のスキルを見極めることができず、チャンスを逃していることが多々あると思います。